知って賢くなる!

2013年12月 8日 (日)

電話勧誘があぶない

 私宅に「投資マンション」の購入を勧誘する電話が掛かってきました。私の姓名をフルで言っていましたから、何かの名簿を基に掛けてきたのでしょう。名前の読み方は間違っていましたが(笑)。

 このような「名簿型」電話勧誘の場合、当の本人が電話に出てきちんと断らないと、本人が電話に出るまで何度も掛かってくる羽目になります。たとえば、奥さんが電話に出て「主人は今おりません」と応えると、名簿には「留守」と記され、再度のチャレンジが予定されてしまいます。奥様が気を利かして「主人は投資などに興味はありません」と断ったとしても功を奏することはありません。

 その意味で、「名簿型」電話勧誘のベストな撃退方法は、本人による「即切り」「秒殺」です。本人から明確に断りの応対を受けると、電話の向こうでは「名簿」に「×印」をつけざるを得ません。電話応対の時間が短いほど「脈がない」ことを意味しますから、「即切り」「秒殺」が有効なわけです。

 さらに、このように「契約を締結しない旨の意思を表示」することは、法律的にも大きな意味があります。特定商取引法17条は、契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘を禁止しています。つまり、「要りません」「興味がありません」などと明確に断った相手に対し、「そう言わずに話を聞いて下さい」などと、さらに勧誘を続けることは法律違反になるのです。

 邪魔くさがり屋のオトーさん。電話勧誘については「奥様任せ」にせず、ご自身でガツンと断った方が効果的であることを判って戴けましたでしょうか?

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
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2013年11月27日 (水)

自転車「右側通行」があぶない

 道路交通法が改正され、この12月1日から施行される中で、自転車関連が2点あります。「自転車(軽車両)が通行できる路側帯は、進行方向の左側に限る」「警察官は、ブレーキ装置のない自転車などを停止させ、検査や運転の禁止を命令できる」の2点です。通行方法違反も命令違反も「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」ですので注意が必要です。

 「路側帯」というのは、歩道のない道路の端で、車道と白線で画された部分をいいます。現行法では、自転車などの軽車両は左右両方の「路側帯」を通れますが、12月1日から改正道路交通法が施行されると、進行方向左側の「路側帯」しか通行できなくなります。

 要は、車やバイクと同じ規制になるわけです。自転車の左側通行の義務化については、自転車同士、あるいはバイクや自動車との「出合頭衝突」や「正面衝突」の事故を防ぐ効果があるとされています。

 自転車は「軽車両」であり、車の一種なのです。「左側通行」を常に意識し、しっかりと安全運転に努めましょうね。

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2013年11月21日 (木)

「店立て(たなだて)」があぶない(終)

 家主からの解約申し入れとは直接的には関係ありませんが、阪神淡路大震災の際、全壊した借家の「敷引」をどうすべきか?…という議論がありました。兵庫県弁護士会は「敷引せず全額返還を原則とすべき」とする意見を出した記憶があります。

 震災当時は、家主の側も「被災者」でした。しかし、本来「敷引」は原状回復費用にあてるものという理解のもと、原状回復の余地がない「全壊借家」には「敷引」はそぐわない…と考えたのです。この弁護士会の意見に沿って、「敷引」をせず借家人に対し「敷金全額」を返還した「善良な家主さん」がたくさんおられました。

 ところで、現代では「家主」は「やぬし」と読みますね。上方落語の世界では「いえぬし」と読みます。何が違うかと言いますと、現代の「家主」は家屋の所有者を意味しますが、江戸時代や近世で「いえぬし」と呼ばれたのは、借家の持ち主ではなく差配する人、つまりは「管理人」のことでした。

 「家主(大家)といえば親も同然、店子と言えば子も同然」などと、お芝居や落語の台詞に出てきますが、言葉のとおり、昔の「いえぬし」は何くれとなく店子の面倒を見ることに忙しかったようです。店子が奉行所に呼び出されたときは必ず同行することを義務づけらましたし、結婚も「いえぬし」の関与なしには許されなかったようですから。

 現代では、家屋の賃貸借はただの「ビジネス」となり、賃貸人・賃借人の関係は希薄になりました。しかし、契約条項に「家賃の支払を1回でも怠ったら契約解除できる」と書かれてあっても、裁判上は「信頼関係の破壊」が認められないと契約解除は許されません。その目安はおよそ「家賃3か月分」です。現代の賃貸借関係にも、少しは昔の「家主・店子」時代の名残が残されているのかも知れません。

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2013年11月20日 (水)

「店立て(たなだて)」があぶない(5)

 さて、人生色々(島倉千代子さんのご冥福をお祈り申し上げます)、家主も色々です。世の中には、あいた口が塞がらない…というお方もいらっしゃいます。

 自己使用の必要があるとして借家人に明渡を求めた家主が、実は他にも遊休不動産を幾つか所有しており、自己使用の必要などまったく無かったり、「老朽化のため取り壊しのうえ建て替えの必要がある」として明渡を求めながら、借家人に「原状回復費用」を請求したり…など、ちょっと首をかしげてしまうこともあります。


 ところで、関西地方に特有の「敷金(保証金)及び敷引」も、家主にとっては有利な制度です。最近は関東方式の「敷金1ヶ月、礼金2ヶ月」といった賃貸物件も増えていますが、従前からの関西方式では「保証金6ヶ月~12ヶ月、敷引2割~5割」という結構高額にわたる事例も多々ありました。さすがに関西でも最近は敷金額を低めに抑える傾向にありますが、敷引についてはその趣旨が不明確な場合が多く、もっぱら「紛争」の火種となっています。

 さすがに「敷引制度」を違法と判断する最高裁判例はまだ出ていないようで、現時点では、敷引額が「1ヶ月の賃料額の3.5倍」にあたる場合について、「不当に高額とは言えない」との判断が出ています。しかし、すでに反対意見を述べる裁判官もあって、今後、消費者契約法との関連で判例がどのように変化して行くかは予断を許しません。

 いずれにせよ、家主から借家人に対する「解約の申し入れ」の場面では、この「敷引」をどのように扱うか…もテーマとなります。(続く…)

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2013年11月19日 (火)

「店立て(たなだて)」があぶない(4)

 世の中の「紛争」のすべてが裁判所で審理されるわけではない…と申し上げました。刑事ドラマ風に言えば「事件は法廷で起きているんじゃない!」というわけですね。そして、紛争化するかしないかは、正に「現場での対応」が分かれ目です。

 家主にとって借家を明渡してもらいたい「正当事由」が生じた場合でも、借家人に対して6ヶ月前に予告する必要があります。この際、法律上は「一方的な通知」で構わないのですが、そうすると6か月後に借家人が異議なく明渡しに応じてくれるかどうかは、「出たところ勝負」になってしまいます。

 家主もそれなりの事情があって明渡をお願いしているわけですから、家主の事情を汲んで文句の一つも言わずに明渡しに協力してくれる借家人もいるでしょう。これまで家主にお世話になったとの思いが前提にあれば…のことですが。

 家主と借家人の関係が良好な場合は、「一方的な通知」だけで済ませることもありません。家主が直接、あるいは管理会社等を通じて、借家人に事情を伝えて明渡を納得してもらう…といった手順を踏むのが通常です。その場合、解約や明渡に関する「合意書」の作成もそれほど難しくないでしょう。

 その際、賃借条件が様々ですので一概には言えませんが、賢明な家主は、たとえば6ヶ月分の賃料を丸々免除しましょう…などと提案します。支払わずに済む家賃分をプールして、引越料や新たな賃借物件の初期費用などに充ててください…という趣旨であり、これも「立退料」のひとつの支払方法であり、正に「潤滑油」の役割を果たしてくれます。

 紛争化して「泥沼」に入ってしまうと、「正当事由」の有無は最終的に裁判所が判断することになりますが、それ以前の段階で当事者間で「合意」が整えば、裁判所の判断などは不要です。まずは「紛争化させない」ことが最も大切なんですね。(続く…)

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2013年11月18日 (月)

「店立て(たなだて)」があぶない(3)

 家主から借家人に対する「解約の申し入れ」について、相談を受けることがよくあります。家主も借家人も、気になるのは「立退料」(明渡料とも言います)なんですね。家主は「立退料なんて支払わなきゃいけないんですか?」と言い、借家人は「立退料を請求できないんですか?」と言います。

 正解は「家主には立退料を支払う義務はないが、支払った方がベター」なんですね。必ずしも「立退料の提供が無いと、正当事由が認められない」というわけではありません。その意味では、家主には立退料を支払う義務はない…ということになります。

 同様に「借家人から立退料を請求する権利」も無いのです。借家人はただ「建物を賃借し続ける権利」があるだけです。家主から「立退料」の提供があると、賃借を続ける権利を奪われる可能性が高まるのみで、賃借人から「立退料」を請求する権利はない…とご理解ください。

 家主から借家人に「立退料」が提供されると、裁判所が「正当事由」を判断するにあたって家主側にプラスに働きます。建物賃貸借をめぐる双方の様々な事情に加え、「立退料」の提供は家主にとって「最終兵器」となるのです。「立退料」の金額如何で「正当事由」の有無が左右される事件すら存在するほどです。

 もちろん、これはあくまで、裁判所が「正当事由」の有無を判断する場合の「論理」です。世の中の「紛争」のすべてが裁判所で審理されるわけではありませんし、借家をめぐる契約関係が必ずしも「紛争化」するわけではありません。

 「立退料」の提供は「紛争化」を避けるための「潤滑油」になりますし、万が一にも訴訟等に発展した場合には「正当事由」を補完するための「プラス・アルファ」となります。「家主には立退料を支払う義務はないが、支払った方がベター」とは、そういう意味なのです。(続く…)

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2013年11月16日 (土)

「店立て(たなだて)」があぶない(2)

 旧法(借家法)では、家主が更新拒絶や解約申し入れをしたいと考えても、自己使用その他の「正当な事由」がない限り出来ない…としていますが、何が「正当な事由」にあたるかは、法律に明確な定義がありません。

 他方、新法(借地借家法)では、家主側から借家人に対し「解約の申し入れ」を行うことの可否につき具体的に規定されています。すなわち、①双方が建物の使用を必要とする事情、②建物賃貸借に関するこれまでの経過、③建物の利用状況、④建物の現況、⑤家主側から借家人に対する「立退料等」提供の有無…などの各事情を考慮して「正当事由」ありと認められる場合でなければ、家主側の解約申し入れは許されません。逆に言えば、これらの各事情を総合的に勘案して「正当事由」ありと判断される場合には、家主側から借家人に対して「解約の申し入れ」を行うことができることになります。

 新法(借地借家法)は、平成4年8月1日以降の賃貸借契約にだけ適用され、それ以前の契約については旧法(借家法)が適用されます。しかし、旧法に言うところの「自己使用その他の正当な事由」の判断にあたっては、結局のところ、新法に規定されているのと同じ①~⑤の各事情を総合的に勘案して判断する…というのが判例の考え方です。

 したがって、結局のところ、旧法下の契約でも新法下の契約でも、この点についての判断には違いが生じません。種を明かせば、旧法下における判例の集積を、新法制定の際に取り入れて明文化しただけのことですので、両者に違いが生じないのは当然なのですね。

 いずれにしても、この場合の「正当事由」は、結構ハードルが高いと考えるべきでしょう。(続く…)

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2013年11月15日 (金)

「店立て(たなだて)」があぶない(1)

 「店立て(たなだて)」という言葉をご存知ですか? もうほとんど「死後」かも知れませんが、古い言葉で、家主が店子(借家人)を追い出すことを意味します。上方落語の世界では、家主の下手な浄瑠璃を聴かされるのを断った店子らが「店立て」を言い渡されたり(寝床)、見てもいない夢の内容を問われて答えなかった店子が家主から「店立て」の訴えを起こされたり(天狗裁き)といった形で登場します。

 昔はともかく、「借地借家法」(平成4年8月1日施行)や、それ以前の「借家法」で保護されている現代の借家人は、ある日突然、家主から理由もなく「店立て」を食らうことはありません。逆に言うと、借家人が家賃の支払を滞納するなど、契約条項に違反しない限り、家主側の勝手な都合で賃貸物件の明渡を要求することは極めて困難なのです。

 古い「借家法」では、家主に自己使用その他の「正当な事由」がない限り、更新拒絶や解約申し入れは出来ないとされていました。この場合、何が「正当な事由」にあたるかは明確に定義されておらず、裁判上で「正当な事由がある」と認めらた事案は余り多くありません。

 それでは、いったい何がこの場合の「正当な事由」にあたるのでしょうか?(続く…)

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2013年10月17日 (木)

日本語がむずかしい

 小学館の国語辞典「大辞泉」編集部が、「本来と異なる意味・言い方で使用される言葉ランキング」の結果を発表しています。15歳以上の男女1,200人を対象にインターネットにて調査したそうです。


 間違った意味で使われる言葉の第1位は「ハッカー」でした。「コンピューターやインターネットに詳しい人」というのが正しい意味ですが、「コンピューターで不正行為をする人」という意味で使う人が多いとか。実は、私もそう思い込んでいました(汗)。

 第2位の「確信犯」は、「信念に基づいて正しいと思い込んでする犯罪」のことですが、「悪いとわかっていながらする犯罪」という意味で使う人が増えています。文化庁が平成14年度に発表した「国語に関する世論調査」で、誤用率が約58%だったのが、今回の調査では誤用率73%にまでアップしています。あなたは大丈夫ですか?

 第3位の「他力本願」は、「阿弥陀仏の本願」により衆生が救済される…という浄土教の言葉ですが、巷では「人まかせ」という意味が定着しているようです。これは理解できる気がしますね。

 次に、「言い間違いされる言葉」についての調査ですが、第1位は「間が持たない」でした。約69%が「途切れがちの会話を、うまくつなげない」という意味で使っていますが、それも言うなら「間が持てない」が正しいんですね。

 第2位は「声をあらげる」で約64%が使っていますが、正しくは「声をあららげる」で、私もまちがって使っている方に入ります(涙)。第3位は「足もとをすくう」ですが、正しくは「足をすくう」だそうです。私はこれもアウトぉ~!!  その他「采配(さいはい)を振る」「怒り心頭に発する」「押しも押されもせぬ」なども誤用が多いそうで…。

 いやはや、日本語はむずかしいですね。


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2013年7月31日 (水)

「時効の援用」は内容証明郵便で

 これまで、消滅時効のお話をしてきましたが、「時効の援用」は、やはり内容証明郵便で行うべきです。以下に、私が代理人として通知する場合の一例を紹介しますので、ご参考になれば…と思います。

(引用開始)
当職は兵庫県弁護士会に所属する弁護士です。今般、通知人・甲野一郎(こうの・いちろう、生年月日:昭和○年○月○日、現住所:神戸市○○区○○町1丁目1番1号)の依頼を受け、その代理人として、以下のとおりご通知申し上げます。
貴社から頂戴した資料等によれば、貴社が原債権者○○株式会社から債権譲渡を受けられた、通知人に対する貸付金債権(原契約番号:1234-56789-01)の平成25年7月1日付現状は以下のとおりです。
1 残元金:    金922,680円
2 利息金:    金14,560円
3 遅延損害金: 金2,920,388円
4 最終融資日: 平成13年5月7日
5 最終返済期日:平成13年6月9日
そうすると、最終返済期日である平成13年6月9日における支払を通知人が怠ったことにより、通知人は当然に期限の利益を喪失したことになり、それ以降、既に12年以上が経過していることは明らかです。また、この間、いずれの債権者においても時効中断の手続を取られた事実はございません。
よって、通知人は、本書をもって上記貸付金債務につき、消滅時効を援用させていただく次第です。貴社のご理解及びご高配を切に希望いたします。
(引用終了)

 必ずしも、このように時効の論拠を詳細に掲げる必要はないのですが、私はきちんと論拠を書くようにしています。もっとも、債権者の側はとっくの昔に「覚悟」しているはずでしょうが。

 とは言え、債権者の立場から見れば、「時効の援用」を受けて、ようやく「時効消滅債権」として「ゴミ箱」に放り込むきっかけが出来るのです。いつまでも「宙ぶらりん」のままでは債権者も債権管理に手間をとられて困りますから、「時効の援用」は、むしろ債権者に対する「親切」と言うことができるかも知れません(笑)。

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