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2016年2月22日 (月)

「号泣元県議」どこまで墓穴を掘る?

 号泣元県議は、今日(2/22)の公判でも「記憶にありません」を連発したと聞く。なんとも勿体ない話だ。国選弁護人としては「切歯扼腕」の思いだろう。被告人は起訴された「騙取額」を超える1834万円をすでに弁償している。そのこと自体は「殊勝」と言うべきだ。あとは潔く罪を認めて公判廷で謝罪すれば、執行猶予付判決は間違いがない…ところだった。

 もともと初犯なのである。多くの県議・市議が「公然」とやっている「政務活動費」をめぐる不正経理。彼の場合は誤魔化し方があまりに「稚拙」だったために「犯行」がバレバレだったに過ぎない。例の「号泣会見」の映像は全世界レベルで「晒しもの」にされ、ネット上の動画はあちらこちらに「拡散」し、もはや収拾の余地はない。マスコミの過熱報道「狂騒曲」は今日もまた健在である。被告人はすぐに県議も辞職しており、もう社会的な制裁は十二分に受けたと言うべきだろう。

 だから、もうこのあたりで幕を引くべきなのだ。「ごめんなさい。詳しくは記憶していませんが、嘘の使途を書いたことがあります。本当に申し訳ありません。」たったこれだけでも良い。本当に当時の記憶が減衰してしまったとしても、限られた記憶の中で「みずからの罪」と向き合うべきなのだ。

 私は、被告人は確実に「心を病んでいる」と思う。しかし、これは刑事的な責任能力を否定することを意味しない。責任能力は、やって良いことか悪いことかを判断する能力(事理弁識能力)と、その判断にしたがって行動する能力(行動制御能力)の問題なのである。被告人が本件行為時において、事理弁識能力または行動制御能力のいずれかに「問題」を抱えていたとは思えない。

 結局、このような公判廷における「弁解」はまったく意味を持たない。仮に現時点で「記憶障害」があると仮定すれば、むしろ「全面自供」していた警察段階での供述調書の方の「証拠価値」を高める結果となる。変な方向性で足掻けば足掻くほど、自分の首が締まるのである。このような点は、国選弁護人においてきちんと指摘し、繰り返し被告人を説得したはず…と私には断言できる。

 だから本当に勿体ないのだ。お釈迦様が極楽から降ろしてくれた「蜘蛛の糸」にすがれば助かるのに、「蜘蛛の糸」を一顧だにしようとしない。次回公判は4月25日と指定されたが、3月25日には勾留期限を迎える。果たしてそれまでに保釈が許されるのか、あるいは勾留がさらに一か月更新されてしまうのか…。

 前回の公判にあたり勾引された後、被告人はすぐ神戸拘置所に収監されたが、あの日はかなり厳寒だった。国選弁護人が急いで差し入れたコーヒーと携帯カイロで暖を取り、なんとか寒さを凌いだと聞く。暖房装置のない神戸拘置所の寒さは尋常ではない。看守が独房の窓を閉め忘れたため被収容者が「凍死」したという国賠事件の舞台にもなった「いわくつき」の拘置所なのだ。

 厳寒だった季節が移ろい、少しは暖かくなったが、神戸拘置所が「氷点下」になる日は、これからもやってくる。被告人の「地獄」はまだまだ続くのか。これ以上、みずから「墓穴」を掘るようなマネはして欲しくない。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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