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2016年2月

2016年2月29日 (月)

ブログを移転しました!

たいへん申し訳ありません。

諸般の事情により、このブログは今後「更新」をいたしません。もし興味がおありでしたら、こちらのブログの方へどうぞ!
どうぞよろしくお願いいたします。

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2016年2月22日 (月)

「号泣元県議」どこまで墓穴を掘る?

 号泣元県議は、今日(2/22)の公判でも「記憶にありません」を連発したと聞く。なんとも勿体ない話だ。国選弁護人としては「切歯扼腕」の思いだろう。被告人は起訴された「騙取額」を超える1834万円をすでに弁償している。そのこと自体は「殊勝」と言うべきだ。あとは潔く罪を認めて公判廷で謝罪すれば、執行猶予付判決は間違いがない…ところだった。

 もともと初犯なのである。多くの県議・市議が「公然」とやっている「政務活動費」をめぐる不正経理。彼の場合は誤魔化し方があまりに「稚拙」だったために「犯行」がバレバレだったに過ぎない。例の「号泣会見」の映像は全世界レベルで「晒しもの」にされ、ネット上の動画はあちらこちらに「拡散」し、もはや収拾の余地はない。マスコミの過熱報道「狂騒曲」は今日もまた健在である。被告人はすぐに県議も辞職しており、もう社会的な制裁は十二分に受けたと言うべきだろう。

 だから、もうこのあたりで幕を引くべきなのだ。「ごめんなさい。詳しくは記憶していませんが、嘘の使途を書いたことがあります。本当に申し訳ありません。」たったこれだけでも良い。本当に当時の記憶が減衰してしまったとしても、限られた記憶の中で「みずからの罪」と向き合うべきなのだ。

 私は、被告人は確実に「心を病んでいる」と思う。しかし、これは刑事的な責任能力を否定することを意味しない。責任能力は、やって良いことか悪いことかを判断する能力(事理弁識能力)と、その判断にしたがって行動する能力(行動制御能力)の問題なのである。被告人が本件行為時において、事理弁識能力または行動制御能力のいずれかに「問題」を抱えていたとは思えない。

 結局、このような公判廷における「弁解」はまったく意味を持たない。仮に現時点で「記憶障害」があると仮定すれば、むしろ「全面自供」していた警察段階での供述調書の方の「証拠価値」を高める結果となる。変な方向性で足掻けば足掻くほど、自分の首が締まるのである。このような点は、国選弁護人においてきちんと指摘し、繰り返し被告人を説得したはず…と私には断言できる。

 だから本当に勿体ないのだ。お釈迦様が極楽から降ろしてくれた「蜘蛛の糸」にすがれば助かるのに、「蜘蛛の糸」を一顧だにしようとしない。次回公判は4月25日と指定されたが、3月25日には勾留期限を迎える。果たしてそれまでに保釈が許されるのか、あるいは勾留がさらに一か月更新されてしまうのか…。

 前回の公判にあたり勾引された後、被告人はすぐ神戸拘置所に収監されたが、あの日はかなり厳寒だった。国選弁護人が急いで差し入れたコーヒーと携帯カイロで暖を取り、なんとか寒さを凌いだと聞く。暖房装置のない神戸拘置所の寒さは尋常ではない。看守が独房の窓を閉め忘れたため被収容者が「凍死」したという国賠事件の舞台にもなった「いわくつき」の拘置所なのだ。

 厳寒だった季節が移ろい、少しは暖かくなったが、神戸拘置所が「氷点下」になる日は、これからもやってくる。被告人の「地獄」はまだまだ続くのか。これ以上、みずから「墓穴」を掘るようなマネはして欲しくない。

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2016年2月18日 (木)

「りそな銀行」メールがあぶない!

 ごめんなさい。正確には「りそな銀行を名乗るメールがあぶない!」と言うべきでしょう。銀行名を騙る「フィッシングメール」の問題は、過去にもご紹介しました。ご存知のとおり、偽のWEBサイトへのURLリンクを貼ったメールを送りつけ、個人情報やID・パスワードなどを騙し取ろうとする「厄介者」です。

 昨日、私のもとに「本人認証サービス」という題名の「偽メール」が送られてきました。その送信元は「mp@resona-gr.co.jp」となっており、まるで本物の「りそな銀行」から送られて来たかのような外観です。そのメールの全文をそのまま以下にご紹介します。

 「こんにちは! 最近、利用者の個人情報が一部のネットショップサーバーに不正取得され、利用者の個人情報漏洩事件が起こりました。お客様のアカウントの安全性を保つために、『りそな銀行システム』がアップグレードされましたが、お客様はアカウントが凍結されないように直ちにご登録のうえご確認ください。以下のページより登録を続けてください。https://mp.resona-gr.co.jp/mypage/(以下省略)」

 メールの末尾には「Copyright (c) Resona Holdings, Inc. All Rights Reserved.」とあり、偽のURLもまるで本物の「りそな銀行」みたいです。不安感にかられて、あわててクリックしたくなったとしても無理はありません。皆様方も、ゆめゆめ騙されませんよう、どうぞお気を付けください。

 ところで、このメールがすぐに「ニセモノ」だとわかった理由ですが、それは私が「りそな銀行」とは何の取引も無いからだけのことです(笑)。

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2016年2月17日 (水)

号泣元県議の弁護人から怒りを込めて

 「私はホントに怒りがおさまりません。」
 そう言って彼は白い「愛車」を見せてくれた。あちらこちらに人の手が触れた痕跡が…。あらあら、よく見ると細かい「ひっかき傷」もいっぱい…。こりゃひどい。修理代も結構かかりそうだ。 

 「カメラですよ。TVカメラとか、スチルカメラ。」
 カメラのレンズ・フードはいずれもアルミ合金で出来ているので、これが車のボディや窓ガラスに触れると確実に車の方に「傷」がつく。怒りをあらわにしている彼は、誰あろう「号泣元県議」の国選弁護人である。

 「被告人は乗っていない!!…って私は叫んだんですよ。後部座席の窓も少し開けて、車内が見えるようにしたんです。」
 しかし、それでも報道陣の攻勢は止まらなかった。まさに競い合って何台ものカメラが、窓ガラスと言わずボディと言わず、ガンガンとぶつけられてくる。勾引されていた被告人は、公判の途中で釈放された(勾引状の効力は24時間のため)。それが公判の終了とともに突然「勾留」された。検察官が裁判所に「職権発動」を求めたことに対し、裁判所は「渡りに船」とばかりに勾留決定を下したのであった。しかし、裁判所の外で待機していた報道陣には、まだその一報が届いていなかった。

 「ひどい奴は、車の前方からボンネットに乗りかかって車内を撮影してきました。」
 とにかく「画像」が欲しいというカメラマンの習性…と言ってしまえばそれまで。しかし、ここまで報道が過熱するともはや車は身動きすら取れず、言いようのない憤りと怒りがこみ上げてきたと彼は言う。

 「まるで『暴徒』みたいなもんですよ。」  神戸地裁の敷地(駐車場)を出たところで一旦取り囲まれ、これを何とか振り切って裁判所南西角の信号まで進んだが、そこでまた報道陣に取り囲まれる。信号が青になり、湊川神社前交差点に向けて南下する車の後ろを何人ものカメラマンが追っかけてくる。それも大勢で「車道」を走って…と言う。彼は大きく嘆息した。

 「ここは『無法地帯』か…と思いましたね。」
 彼はもともと「マスコミ嫌い」で有名である。これまで神戸地裁管内で起きた「著名刑事事件」の多くを引き受けてきたが、マスコミの取材にはめったに応じない。その彼をさらにマスコミが寄ってたかって怒らせてしまった。

 「修理代を請求したいですよ。」
 いったい誰に対して? 彼はマスコミはみんな同罪だと言い切る。公然とカメラをぶつけてきた報道陣を「器物損壊」で告訴したい…とも。たしかに「赤信号みんなで渡れば怖くない」を地で行くような報道陣の「取材狂騒曲」は異常だ。「法治国家」である日本において、このような「蛮行」が許されて良いはずはない。

 「金輪際、マスコミとは付き合いません。」
 彼の怒りはおさまらない。私は「木偶(でく)の坊」のように立ちすくむばかりだ。

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2016年2月12日 (金)

ベッキー騒動に学ぶ「三方一両損」

 さて、今回の「騒動」で、いったい誰が「得」をして、誰が「損」をしたのでしょう。得をしたのは、まず週刊誌でしょうね。公称80万部を誇る「週刊文春」は、今回のベッキー騒動で「爆売れ」して「増刷」した…とのウワサすらあります。あくまで「ウ・ワ・サ」です。いえいえ、かなりお儲けになったんでしょう?…って、それじゃあまるで「ゲスの勘繰り」になってしまいますかねぇ(笑)。

 もしかして川谷さんの奥さんは、「週刊文春」から幾ばくかの「情報料」をゲット出来たかも知れませんが、さほど大きな額にはならないでしょう。川谷さん自身は、この騒動で逆にゲス乙女の新曲「両成敗」の売り上げがアップした…と言いますから、世の中いったい何が起こるかわかりません。他方のベッキーさんはCMカット、番組降板、しばらく休業…というわけで、事務所規模では何十億円という単位での損失や逸失利益が出る見込み…などと言われています。

 今回、川谷さんの奥さんが「週刊文春」の独占インタビューに答え、あわせて生々しい「LINEデータ」が流出したことで、ベッキーさんは芸能界における居場所を失い掛けています。その点では、「ベッキーを許さないぞ!」という奥さんの「企図」は大成功した感があります。しかし、奥さんが手に入れられる「賠償金」に絞って考えるなら、前々回のブログで述べたように秘密裏に和解交渉をした場合に比べると、かなり少額になってしまいそうです。裁判での判決を求めることになれば、まるで「大山鳴動して鼠一匹」という結果になるやも知れません。

 もし仮に、本件を「スキャンダル」に発展させず、動かぬ証拠の「LINEのデータ」を握ったままでベッキーさんサイドとの穏便かつ綿密な和解交渉に臨んでいたら、結果は大きく変わっていたのではないでしょうか。ベッキーさんの「タレント生命」を守るべき立場にある事務所側としては、一般相場よりかなり多額の「解決金」を負担してでも「スキャンダル化」を阻止したいと考えるからです。もちろん、少しでも方法を間違うと「恐喝まがい」になってしまうので、ここは腕の良い弁護士(!!)に依頼しないと到底無理でしょうけれど。

 この場合、奥さんはベッキーさんの「息の根を止めたい」という思いをおさえる必要があります。一方のベッキーさんは事務所から「不倫厳禁」を命じられたうえ、多額にわたる「解決金」の一部負担を要求されるでしょう。他方、川谷さんは奥さんに多額の慰謝料(言い値?)を支払って別れるか、離婚を思いとどまるかの選択を迫られ、いずれにせよベッキーさんとの交際継続は不可能でしょう。

 まあ、きれいに「三方一両損」というわけではありませんが、お互いに何かを失うことで「おおごと」に発展することを阻止できたかも…などと、他人の不幸をネタにあり得ない「大岡裁き」をひとり夢想している私こそ、まさに「ゲスの極み」なんでしょうかね。

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2016年2月 5日 (金)

「完落ち?」があやしい

 一部報道によると、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されたK容疑者は「完落ち」の状態だ…とのことです。覚せい剤の所持も使用も、全面的に認めているうえ、覚せい剤の入手ルートや、同じルートで覚せい剤を入手していた有名(大物?)芸能人の名前もいずれ出てくるだろうという…というところから「完落ち」の表現が使われています。

 しかし、他方では、K容疑者は覚せい剤の入手先について「今は言わない」と供述している…との報道もあります。もし仮に、後の方の報道が正しいとするならば、彼はまだ「完落ち」とは言えないでしょう。覚せい剤や麻薬などの薬物事犯において、警察や検察が重視するのは容疑者が「ネタ元(入手先)」をウタう(自白する)か否かです。これがあってはじめて「完落ち」と言えるのです。

 何故なら「ネタ元」を隠す容疑者は、将来も「ネタ元」を残しておきたいと考えているからであり、本当に「クスリ」をやめる「決意」がないからです。この点、「薬物経験者」で有名な元タレントT氏も同様の分析をしています。T氏は「売人の名前を言わない」のは「出所したときに連絡ができなくなり、次に頼めなくなるから」と、TVのインタビューに答えていますが、「経験者」だけにたいへん説得力があります。

 もちろん、覚せい剤などの入手先が暴力団関係者等である場合、自分や家族の身の安全を案じて容疑者が「ネタ元」をウタわない場合もあります。そのような場合、警察は当然ながら供述調書に「ネタ元」をそのまま書いたりはしません。そこには「別の工夫」があるわけで、「ネタ元」への捜索差押令状を取得するための証拠資料としては使うけれど、そういった調書を容疑者自身の刑事記録にそのまま綴ったりはしない…といった「配慮」も必要になってくるわけです。

 ですから、報道などで「ネタ元をウタっていない」などと聞かされても、それをそのまま素直に信じるかどうかは考えものです。報道とは裏腹に、実は容疑者がすっかり自白していることだってあり得るからです。捜査官が「逆の事実」をマスコミに「リーク」することによって、「完落ち」した容疑者を守っているという構図です。

 犯罪捜査にかかわる報道は、警察発表をそのまま流すだけでなく、各社の記者がそれぞれ「ウラ取り」をする独自取材が真骨頂です。捜査関係者に対する「夜討ち」「朝駆け」などで聞き出す情報が「命」であり、これによって他社を抜く「スクープ記事」も成り立っています。個々の記者の力量もさることながら、記事の「ネタ元」も結構重要だということですね。

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2016年2月 4日 (木)

ベッキー騒動に学ぶ「和解のすゝめ」

 ベッキーさんの「タレント生命」は「風前の灯」ですね。過去にスキャンダルや不祥事が原因で一旦「休業」を余儀なくされたタレントやアーティストは多数いらっしゃいます。そのうち「廃業」を免れて無事に表舞台に「復帰」できた皆さんは、必ずしも多くはないかも知れません。

 しかし、日本は基本的に「みそぎ社会」です。一定期間を「謹慎」するなどして地道に過ごし、世間が「もはや罪を償った」と認めてくれれば「水に流して」もらえますから、ベッキーさんも諦めてはいけません。ただ一つ気がかりなのは、これまで彼女の人気を支えてきた肝心の「好感度」が今回の騒動ですっかり失われてしまったことです。それが将来の「復帰」にどう響くのか、現時点では予測不可能です。

 ところで、例の「LINEデータ」については、その出所や信憑性は必ずしも明らかではありません。ただ、ゲス乙女・川谷さんの古いスマホの「LINEアプリケーション」がまだ生きていて、新しいスマホと「完全同期」されていたのではないか…との仮説があります。この仮説が正しければ、データ流出の「根っこ」は川谷さんの奥さんではないか…との憶測も成り立ちます。いずれにせよ「LINEデータ」が流出したことで、ベッキーさんの「タレント生命」がバッサリと断ち切られそうな状況になっていることは間違いないでしょう。

 さて、今後、仮に川谷さんの奥さんがベッキーさんに「不倫」の代償を求めて損害賠償訴訟を提起した場合、ベッキーさんは幾らくらいの賠償金を支払わねばならないのでしょうか。私はせいぜい200~300万円だと思います。川谷さんが紅白出場級の人気アーティストであるとか、ベッキーさんが好感度ナンバーワンの有名タレントであるとかいった事情は、裁判ではそれほど斟酌されないでしょう。夫婦の「プロポーズ記念日」に2人で密会していた…とか、ベッキーさんの謝罪会見が奥さんの誕生日と重なっていた…とかいった事情?に至っては、裁判ではス完全にルーされてしまうと思います。

 離婚の慰謝料にしても同じことが言えるでしょう。不倫(不貞行為)は離婚理由になりますし、慰謝料の発生原因にもなりますが、半年程度の結婚生活を考えると、裁判の判決で命じられる慰謝料はせいぜい300万円までだと思います。同じ理由で、半年という短い結婚生活の間に築かれた夫婦財産についての「財産分与」もさほど多額にはならないでしょう。

 芸能人の離婚をめぐる慰謝料や財産分与については、驚くほど多額のものが報じられることがあります。しかし、その多くは裁判ではなく「示談(和解)解決」によるものです。訴える側にしても訴えられる側にしても、公開の法廷において私生活を晒したうえ、お互いに罵倒し合うような「恥ずかしい闘い」を繰り広げるには、かなりの「元気と勇気」が必要です。裁判所でお互いに証言し合う場面では、マスコミがドッと押し寄せるでしょうし、証言内容によってはそれこそ「タレント生命」にかかわりますから。

 結局のところ、芸能人は「醜い争い」を出来るだけ避けたいと言うのが「本音」です。相場より多額の慰謝料や財産分与を支払ってでも「穏便な解決」をすることが望ましいわけです。その意味では、川谷さんの奥さんは、「穏便な解決」のチャンスを失ってしまった…と言えるかも知れません。互譲の精神に基づく「和解」こそが日本人の美徳だ…と私は思うのですが。

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2016年2月 3日 (水)

「ゴシップ」があぶない

 昨日、巨人OBの大物元野球選手が覚せい剤取締法違反で逮捕されたことが大きな話題になっていますが、すでに約2年前から「薬物疑惑」が報道されていただけに世間の反応は「あ~あ、やっぱり!!」という感じですよね。期待を裏切らない…と言えば語弊がありますが、やっぱり予想どおり…というのが皆さんの正直な気持ちではないでしょうか。野球ファンを裏切った…との非難の声もありますが、もともとTATOO(入れ墨)など色々な意味を含めて「ああいう野球選手にはなってはいけない」というタイプの人物像でした。ですから、野球小僧たちには、今後とも「反面教師」的存在として語り継がれるべき…と私は思っています。

 ところで、この「大物逮捕劇」の報道の方に世間の関心が移ってしまい、「ベッキー騒動」も少しは下火になるか…と言えば、そうは行かないんじゃないかと思います。そもそも「ベッキー騒動」は「不倫」がイケナイというところに端を発していますが、「不倫」だけがテーマならこれほどの「おおごと」にはならないでしょう。週刊誌ネタの多くは、所詮は「ゴシップ記事」です。ゴシップというのは「ウワサ話」という意味です。たとえ「証拠写真」と銘打っていても、「綿密な取材」に基づくと掲げられていても、その中身は「ウワサの域」を出ない「あやふや」なものであることが少なくありません。

 しかし、今回の「センテンス・スプリング」(笑)の記事には「LINE」での二人のやり取りが克明に書かれており、そのリアル感は読み手を驚かせるほどです。第一弾の記事が出た際にはまだかなりの数の「ベッキー擁護派」がいましたが、第二弾の記事で「LINE」でのやりとりが詳しくレポートされるや、あっと言う間に「ベッキー擁護派」は「絶滅危惧状態」になってしまいました。「LINE」データの出所やその信憑性は必ずしも明らかではありませんが、生々しいやり取りを見せつけられてショックを受けたのは私だけではないでしょう。

 そもそも世間があれだけ怒っているのは「不倫」自体が理由ではなく、「あのベッキーが?!」という「裏切られた感」に裏打ちされているからだと思います。ベッキーさんは近年の「女性タレント人気度」でも常に「ベスト10」にランクインされており、好感度ナンバーワンとすら言われていました。このように好感度が高いからこそ10本以上もCM依頼を受けていたわけですが、世間の皆さんが抱く「良いイメージ」とご本人の「素顔」とのギャップが余りにも大きかったことが、大きな「裏切られた感」につながってしまったんでしょうね。

 ベッキーさんの「三角関係」は突き詰めるとプライベートな問題であって、しょせんは「他人事」にすぎません。不倫も離婚も慰謝料も、3人の間で(裁判所など公の機関を利用するかどうかは別にして)個人的に解決されるべき問題であって、世間があれこれ言うのも無責任な話です。ただ、「私たちも彼女に騙されていた!」という意味で、お茶の間までもが「被害者」と化したことで、この「騒動」への関心を支えるエネルギーが大きく増幅したのでは…と私は見ています。

 いつも元気でポジティブで好感度の高かったベッキーさんの素顔が、計算高く「したたか」で「あざとい」キャラだったことを白日の下に晒してしまったのがくだんの「LINE」データです。ただの「ゴシップ」が、タレント生命を断たれるかも知れないまでの「スキャンダル」へと大きく炎上したわけで、「ゴシップ」の恐ろしさを目の当たりにした数少ない「事件」だと思います。

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2016年2月 2日 (火)

号泣元県議」騒動に見る司法の劇場化(終)

 前にも述べたとおり、私は、今回の勾引状の発付及び執行は、裁判所の「行き過ぎ」だったと考えています。たしかに昨年11月、「号泣元議員」が第一回公判期日をドタキャンしたことは褒められたことではありません。しかし、マスコミに取り囲まれ、日本中8世界中?)が注目している事実を目の当たりにしたことで、被告人が精神的な不安定状態になって出廷不能に陥ったことは十分に理解可能なことです。そして、その最たる原因が彼自身の抱える「精神的疾患」にあることも十分に推察可能なことです。

 被告人は「病気が原因」などとは言っていませんが、少なくとも弁護人を通じて、感情や理性のコントロールが出来ない不安定な状況であるという趣旨の弁解をしています。しかし、このような被告人の弁解は、裁判所にはただの「甘え」にしか映らないようですね。裁判所は、「今度こそ何が何でも被告人を法廷に引っ張り出すぞ!」という確固とした信念と執念をもって勾引状の発付と執行に至ったようですから。

 私は当初、今回の勾引状は、被告人が「任意の出廷」を拒んだ場合に備え、強制的に連行可能なアイテムとして「予備的」に用意されたものと考えていました。勾引状が出たとわかれば被告人も下手な抵抗をせず、素直に「任意出廷」するだろう…と言う発想です。ところが、裁判所の考えはむしろ「強制連行(=勾引状の執行)ありき」だったようです。仮に被告人が任意出廷の意思を明確に表示したとしても、そんなことはお構いなしに「問答無用」で強制的に連行する構えだったわけです。私って読みが甘いですね…。

 しかし、それってどうなんでしょう。前にも述べましたが、一般的な刑事事件で在宅起訴された被告人の場合、たった1回公判を欠席したくらいで勾引状が発付されたりその執行を受けたりすることはありません。公訴事実を否認した途端に「在宅」から「勾留」に切り替わるというのも、ちょっと普通ではお目に掛かれません。その意味では「号泣元県議」はすごい「特別扱い」なのです。世間が注目している著名事件だから特別な措置を取る…というのは、明らかに不公平かつ不当な取扱いであり、公平かつ適正な手続を旨とする裁判所のすることではありません。

 刑事事件に詳しい先輩弁護士から「これは『劇場型』というより『激情型』だ」とのご指摘を頂戴しました。被告人が第一回公判をドタキャンしたことで、裁判所が「なめられた」と感じたことは確かでしょう。「馬鹿にされた」という思いは、大きな「怒り」の感情を生むものです。裁判官だって人の子ですから、そのために正しい判断から逸れてしまうことだって絶対にないとは言い切れません。

 ところでこれは余談ですが、「号泣元県議」が収容された「神戸拘置所」は神戸市北区の小高い丘の上(山の中)にあり、暖房設備がないため冬の厳寒季を過ごすのは結構ツライと思われます。かつて、拘置所職員が監房の窓を閉め忘れたために被収容者が凍死した…という痛ましい国賠事件が起きた「いわくつき」の拘置所なのです。そんな「地獄」のような場所に「心の準備」もないまま放り込まれた被告人の運命や如何に…などと、ちょっぴり同情してしまう私です。

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2016年2月 1日 (月)

「号泣元県議」騒動に見る司法の劇場化(3)

 裁判所は「号泣元県議」を2か月間勾留する旨の決定をしました。在宅起訴された被告人を第一回公判後にあらためて勾留するというのも、また「異例中の異例」の取扱いです。勾留理由は公表されていませんが、「逃亡のおそれ」がその理由だと思われます。この「逃亡のおそれ」というのは、実務上たいへん抽象的な概念であり、具体的な検討もないままかなり安易に認められてしまうのが実情です。

 前にも述べたとおり、被告人は警察での捜査段階では自白していたのに、書類送検後、検察官の取り調べ段階で「否認」に転じています。そのうえで第一回公判期日をドタキャンし、勾引状の執行を受けてようやく出廷した挙げ句、公訴事実を「否認」したわけです。

 ぶっちゃけた話、裁判所は「否認」する被告人のことは絶対「歓迎」しません。上方落語の「天狗裁き」でお奉行さんが「上(かみ)多用のみぎり手数をわずらわしたる段不届きの至り…」と町役らを叱る場面がありますが、「否認事件」は「自白事件」の何倍も手数がかかり、予定していた公判回数や開廷時間などに「狂い」が生じがちです。

 しかも、「自白事件」であれば、被告人の「有罪」を前提に、事実関係や情状を吟味して最終的な量刑をどうするか…の点に腐心すれば足りますが、「否認事件」となれば「有罪か」「無罪か」の難しい判断を避けて通れませんし、事実認定や法律解釈などの争点が「山盛り」になるので、時間だけでなく裁判官に降りかかるストレスも膨大になります。

 そこへ来て「号泣元県議」の被告人質問における答弁は、一問ごとにかなり時間を要し、長い沈黙の後に出てくる言葉が「記憶にありません」だったりするわけですから、裁判長が「さっさと答えて!」などと「いら立つ」のも無理からぬことだと思われます。

 裁判所の立場から見ると、実質審理を1回で終えようと踏んでいたのに、次回公判(2月22日)でもさらに被告人質問を続けたうえ、第3回公判で論告求刑と弁論、その後ようやく判決公判…と、あと3回も公判を開く必要に迫られました。それらの公判のたびに被告人の出頭確保に頭を悩ませ、何度も勾引状の発付や執行を繰り返すくらいなら、いっそのこと勾留した方が楽だ…というのが裁判所の「本音」だったのではないでしょうか。

 一般的に、裁判官や検察官は「犯罪者」に対する「身柄拘束」について、私たち弁護士よりはかなり「寛容的な感覚」です。本来であれば、判決が確定するまで被疑者・被告人は「犯罪者」として取り扱われるべきではありません(無罪推定の原則)。可能な限り身柄を拘束することを避けるべきは当然の要請です。しかし、現実には、裁判官にとって「否認」する被告人は「お荷物」ですし、「否認→罪を認めない→逃亡」という公式も頭の中にありますから、ますます「身柄拘束」の方向へとモーメントが動いてしまうのでしょう。

 ただ前にも述べましたが、被告人は何らかの「精神的疾患」を抱えていると思われます。それが足を引っ張るようにどんどん悪い方向へと働き、裁判所までもが今回の「社会的イジメ」に参加し、ギャラリーを沸かすような格好になっているようで、何とも残念な結果だと思われてなりません(つづく)。

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