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2013年11月 9日 (土)

道徳教育があぶない

 このたび、文部科学省の有識者会議がまとめた提言によると、小中学校の「道徳の時間」を教科に格上げし「検定教科書」を使うべき…とされています。これを受けて、文部科学省は中教審(中央教育審議会)の議論を経て、2015年度にも「教科化」する方針のようです。

 道徳教育については、かねがね「教科化されて国の検定教科書を使用することになると、国や学校が特定の価値を教えることにつながる」とか、「評価が導入されると、思想や信条など個人の内面に踏み込むおそれがある」といった懸念が示されてきました。

 たしかに、検定教科書の基準をどうするかは大きな問題です。特定の価値観の押し付けを避け「多様性」を認めようとすると、「右からも左からも、色んな教科書が出る」ことになりかねません。「検定」はいわば「国のお墨付」ですから、これを狙って自分たちの「主義主張」を教科書にしてしまおう…という動きには注意する必要があるということです。道徳教育の狙いが「あいまい」だと教育現場が混乱する反面、戦前の「臣民教育」のような「政治利用」の心配もないわけではありません。

 とはいえ、「他者への思いやり」や「社会の一員としての自覚」そして「規範意識」といった大切なものを教える機能が家庭から失われてしまった現在、これらを醸成する役目は学校教育にゆだねるより他に方法がありません。

 「いじめ」は、子どもたちだけの問題ではなく、おとなの世界を含めた日本社会全体において「他者への思いやり」が低下してきていることに起因していると思います。「食材偽装」の問題も「これくらいバレないだろう」といった「規範意識」の欠如のあらわれでしょう。

 昔の日本は良かった…と言うほど歳は取っていないつもりですが、現代社会を取り巻く様々な問題が「道徳教育」をなおざりにしてきたことと関係があるのではないか…などと感じているのは、私だけではないと思います。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
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