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2013年10月29日 (火)

司法試験があぶない(4)

 ところで、司法試験は、形のうえでは「資格試験」として位置付けられていますが、現実問題としては修習生の「採用試験」になっています。そこでは、予算措置であるとか修習生の受け入れ態勢の整備、適正な法曹人口などといった、政策的な考慮を踏まえて合格者数を決定する必要があるからです。

 ところが、予備試験は、あくまで「法科大学院修了者」と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうか…を判定するためのものです(司法試験法第5条)。つまり、これこそ純然たる「能力判定試験」であり「資格試験」であると言えます。

 すでに、予備試験については「法科大学院修了者と予備試験合格者の司法試験合格者割合が同程度になるようにすべきである」との旨の閣議決定がなされています。これは、司法試験の合格率について、「法科大学院組」と「予備試験組」を可能な限り近づけなければいけないことを意味します。

 そうだとすると、今年度の「法科大学院組25.8%」、「予備試験組71.86」という合格率の歴然とした差をみるならば、今年度の予備試験では、合格者数を昨年の219人から2~3倍増やして、500~600人程度にまで増加させないと、「法科大学院組」と「予備試験組」とのバランスが取れないことになりそうです。

 司法制度改革では、「法科大学院教育」を「中核」とした法曹養成制度を創設しようと突き進んできましたが、所詮はアメリカのモノマネに過ぎません。彼の国の制度がそのまま我が国に根付くとは限らず、法科大学院制度の発足から10年目に入り、もはやその制度設計の甘さ、脆弱さが隠しようのないほど表面化してしまっています。(続く…)

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!

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