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2013年9月16日 (月)

「獅子身中の虫」があぶない

 少し旧聞に属するので「あなたはもう忘れたかしら?」というお話ですが。麻生太郎副総理が、本年7月29日、都内で開かれたシンポジウムで、改憲問題に関しナチスを引き合いに出して「あの手口学んだらどうかね」と聴衆の笑いを誘った話が、「不謹慎」「釈明の余地なき暴言」「国際社会での日本の信頼を毀損」などと批判され、これを伝え聞いた海外からも非難の声が相次ぎました。

 麻生発言の真意はいったい何処にあったのでしょう。実は、このシンポを記事にした朝日新聞の第一報がこの点をきちんと書いています。以下に、【2013年7月29日22時10分:朝日新聞デジタル】よりそのまま引用します。

「護憲と叫べば平和が来るなんて大間違い」
■麻生太郎副総理
 日本の置かれている国際情勢は(現行憲法ができたころと)まったく違う。護憲、護憲と叫んでいれば平和がくると思うのは大間違いだし、仮に改憲できたとしても、それで世の中すべて円満になるというのも全然違う。改憲の目的は国家の安全や国家の安寧。改憲は単なる手段なのです。狂騒・狂乱の騒々しい中で決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げるべきなんです。そうしないと間違ったものになりかねない。(東京都内で開かれたシンポジウムで)


 この記事を見ればわかりますが、麻生氏は「拙速な改憲」に反対する立場で、世論を踏まえた「慎重な改憲」を主張しています。朝日新聞は、当初はこのように「正確な報道」をしていたのです。ところが、共同通信が「ナチス発言」にスポットを当てたあたりから、麻生発言の真意を離れてそそくさと「麻生叩き」へシフトします。

 麻生発言の「あの手口学んだらどうかね」は明らかに皮肉であり、改憲を急ごうとする人たちに「ナチスを真似したらどうか」と揶揄しているのです。このあたりの「ブラックジョークは」日本人には通じにくいので、やめておいた方が良かったのでは…とは思いますけれど。

 しかし、麻生発言の真意を知りながら、あえて「麻生叩き」に走ったマスコミ報道こそが「不謹慎」であり、「国際社会での日本の信頼を毀損」した…と責められるべきではないでしょうか。「獅子身中の虫、自ら獅子の肉を食う」とはこのことだ…と私は思うのですが。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
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