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2013年8月 4日 (日)

「監視社会」への道(3)

 監視社会への道を飛躍的に発展させたアイテムの一つは、防犯カメラだと思います。誤解のないように言うと、犯罪の検挙に貢献している防犯カメラの大半は、「民間」が設置しているものです。駅やコンビニ、商店街などが日常的に撮影している映像が警察に任意提出され、その結果として犯罪の検挙に役立っているだけですから、厳密に言えば、国家が国民・市民を監視しているわけではありません。

 しかし、そもそも防犯目的で設置されているカメラですから、警察からの協力要請を断る理由は何もないでしょう。その意味で、もはや「民間」の防犯カメラといえども、警察の「捜査システム」にしっかり組み込まれていると言えます。

 ところで、「顏認証システム」って、ご存知ですか? カメラの映像から瞬時に個人を特定する仕組みのことです。通常は、あらかじめ登録された映像データと、リアルタイムで撮影されるカメラ映像との照合を行います。たとえば、空港の出入国審査を迅速化するため、機械で顔を識別して本人確認するシステムが、英国やオーストラリアでは既に導入されています。

 ただ、この7月のニュースによると、法務省の入国管理局が、成田など国際空港における「顏認証システム」の導入を検討していましたが、実証実験での精度が低かったため、導入を見送ったそうです。パスポート内蔵チップの顔写真データと、実際にカメラで撮影した画像をコンピューターで照合するシステムなのですが、実験では17%について本人確認ができなかったといいます。

 入国管理における「不正防止」が目的ですから、17%の認証失敗という数字だと、実用化レベルとは言えないのしょう。しかし、逆からみると83%は認証可能なところまで来ているわけです。駅や空港、スタジアムなど人が多く集まる場所に、秘密裏に「顏認証システム」と連動するカメラを設置し、容疑者の顔写真データとの照合を日常的に行えば、指名手配犯などの検挙にも威力を発揮するのではないか…と思います。

 いえいえ、実はもう、私たちの知らないところで、このシステムは「実用化」されているんじゃないか…と私は睨んでいるのですが。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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