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2013年8月 6日 (火)

「監視社会」への道(5)

 米国のCIA(中央情報局)の活動内容を暴露したことで、「容疑者」として追われる身となったCIA元職員・スノーデン氏について、ロシアが「一時亡命」を認めました。これに対しては、米国の民主党及び共和党の有力議員が、激しいロシア批判を展開しているようです。

 世界は、米国とロシアの「関係悪化」に注目しているようですが、CIAの活動内容(一般市民の電子メールなどの収集)の問題点については、あまり批判が盛り上がらないですね。むしろ、スノーデン氏に対する「擁護論」が出てきても不思議ではない…と、私自身は思っているのですが。

 そんな中で、英国の新聞「ガーディアン紙」が、スノーデン氏から提供を受けた「米国当局作成」とされる資料をWEBサイトに公開したそうです。それによると、情報収集用のシステムは「エックス・キースコア」と呼ばれ、対象者のメールアドレスなどを入力するだけで、メールやチャットの内容のほか、WEBサイトの閲覧記録まで捕捉できるそうです。

 つまり、普通の「ネットユーザー」が行うことなら、何でも捕捉されてしまと言いますから、ちょっと恥ずかしいWEBサイトを閲覧に行ったことも、誰かさんに内緒のメールを送ったことも、全部バレてしまいます。ちょっと、そこのオトーさん。ホンマにこれ、やばいことですよぉ~!!

 そもそも、米国内での「通信傍受」には令状が必要とされています。「エックス・キースコア」は、令状を取得する手続きを「抜き」にして運用されていたとみられており、米国当局の活動がイリーガル(違法)なものであったのでは…との疑念が高まっています。

 日本の公安当局も、昔はせっせと政治家の電話などの「盗聴」に走っていたことがあります(もちろんイリーガルです)。それでも一般市民にまでは「手」が回りませんでした。今回の米国CIAのように、広く一般市民の電子メールなどの収集を可能にした背景には、超膨大なデータの中から必要な情報を検索したり解析したりできる、スーパーコンピュータの発達があります。

 蓮舫氏の「一番じゃなきゃ駄目ですか?」で、一躍有名になった神戸のスパコン「京」ですが、遠くない将来、仮にもイリーガルな捜査に加担させられてしまう…とするならば、私としてはちょっと悲しいですねぇ。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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