« 「監視社会」への道(3) | トップページ | 「監視社会」への道(5) »

2013年8月 5日 (月)

「監視社会」への道(4)

 「GPS」という用語は、もうそのまま通じるようになりました。正確には「グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)」と言い、日本語では「全地球測位システム」と訳されます。約30個ある米国のGPS衛星から信号を受け取って、受信機の現在位置を知るシステムです。

 ターゲットの「尾行」にGPSが利用されるのは、もはや映画や小説の中だけではありません。たとえば自動車での「尾行」にあたっては、相手が1台ならこちらは最低2台、さらにはバイク部隊も用意して、入れ替わり立ち代わり相手を追跡するのが従来型の手法でした。「尾行」は、相手に気づかれたり見失ったりすることが致命傷だからです。

 ところが、GPS受信機をターゲットの自動車に秘密裏に取りつけてしまえば、必ずしもピタッと後をつけて行く必要などありません。十分に間隔を取って遠くから追うことが可能ですし、極端に言えば物理的に相手を追いかけなくとも、地図上で目的地を割り出せば足りることもあります。

 ターゲットの自動車にGPSを勝手に取り付けて「尾行」することで、刑事上何かの「罪」に問われるか…というと難しいでしょう。しかし、民事上の損害賠償の対象になることは間違いないと思われます。同様に、捜査機関が勝手にやった場合は、「違法収集証拠」に該当し、証拠から排除されると私は思っています。

 現在、「GPS」の受信機が「有効利用」されている例としては、①保護者が児童に持たせる、②徘徊行動する認知症患者に持たせる、③窃盗被害にあう高級乗用車や建設機械等に組み込む…などがあげられます。特に①と②は警備会社との連携がクローズアップされています。

 逆に、悪名高い「カレログ」のように、パートナーの携帯電話やスマホに勝手にインストールして位置情報を地図で確認することも横行しています。「カレログ」は既に廃止されたようですが、「カレピコ」という新しいシステムが立ち上がっており、こちらは「パートナーに行ってほしくないエリア」を設定しておけば、そこにパートナーが行くと通知が届く…という新しいサービスも加わっています。

 このようなアプリは何種類もあって、中にはアプリをインストールした形跡すら残らないものもあると言いますから、GPSによる「監視体制」の強化には目を見張るものがありますね。あな恐ろしや…。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

|

« 「監視社会」への道(3) | トップページ | 「監視社会」への道(5) »

弁護士のひとりごと」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/544676/57931586

この記事へのトラックバック一覧です: 「監視社会」への道(4):

« 「監視社会」への道(3) | トップページ | 「監視社会」への道(5) »