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2013年7月12日 (金)

法廷での「個人情報」があぶない

 刑事事件では、手続の冒頭で、被告人の本籍・住所・氏名から生年月日に至るまで個々具体的に確認されます。これは「人定質問」と呼ばれ、人違いでないことをきちんと確認しておく必要があるからです。

 これに対し、民事事件では、廷吏(ていり:法廷の事務官)に呼出状や運転免許証を示すことで訴訟当事者であることの確認がなされます。証人についても、住所・氏名などを所定の用紙に記入し、裁判官が「ご住所・お名前などは、この用紙に書いて戴いたとおりですね?」と確認するだけにとどめ、詳細を読み上げたりはしません。

 ところが、先日の法廷では、びっくりすることがありました。簡易裁判所の法廷でクレジット会社と20代女性との間で和解手続が進められていたのですが、裁判官が最後に「〇○さん(女性の名前)、あなたの住所ですが、神戸市〇〇区〇〇通〇丁目〇番〇号〇〇マンション〇〇号室で間違いないですね?」などと確認を始めたのです。
 裁判官は、念のために和解調書の「送達場所」を確認したかっただけで、何も悪気があったわけではないでしょう。しかし、たくさんの傍聴人がいる法廷で、名前を告げられたうえ、住所を長々と最後まで読み上げられたのです。

 傍聴人は、その直前まで和解条項の内容、すなわち、債務が幾ら残っており、それをいつから、毎月幾らずつ、何回に分けて支払うか…などについて詳細に聞かされていますから、彼女にかかわる個人情報は、法廷で完全に「丸ハダカ」にされてしまったようなものです。

 裁判所とはそんなところ…と言ってしまえば、おしまいなのでしょうが、どうも自分自身の感覚とは合わない、何か他の方法は無かったのだろうか…などと感じるのは私だけでしょうか?

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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