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2013年6月25日 (火)

ストーカー規制法「改正」があぶない

 ストーカー規制法が成立して12年になる今年、ようやく初の改正作業が進められています。電話やFAXに加えて電子メールも規制対象になること、加害者に対する警告が被害者の居住地を管轄する公安委員会だけでなく、加害者の居住地や行為地(ストーカー行為がなされた場所)の公安委員会も出せるようになること…が主な改正点です。

 現行法では電子メールは規制対象外だったため、神奈川県逗子市で発生したストーカー殺人事件(2012年)では、加害男性が1400通もの電子メールを送信していたにもかかわらず立件が見送られた経緯があり、その苦い経験を踏まえての改正となりました。

 また、加害者に対する警告を出すのが被害者の居住地を管轄する公安委員会だけだと、被害者がその都道府県に居住していることを加害者に知らせる結果になります。さらに、加害者にとっては、遠隔地の公安委員会からの警告より、自分の居住地の公安委員会からの警告の方が事実上インパクトがあるでしょう。

 このように、改正法は一歩前進したと言えますが、課題も多く残っています。まずは、電子メールが規制対象となるとしても、「連続して」メールを送信することが規制の要件となっており、この場合の「連続」がどの程度を意味するかは、きわめて不明確です。

 また、電子メール以外のネット上の連絡方法、たとえばMixiやFaceBookのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は規制の対象になっていませんが、早晩、これらを濫用したストーカー行為も多く出現することが予想されます。

 ストーカー規制法成立後12年を経てようやくの改正。そのスピードは、世の中の動きに到底あっていません。必要な法改正をどんどん実施していかないと、法律が時代遅れになることは目に見えており、対策が後手後手にまわってしまうことが懸念されます。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
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