« 小野市の「新条例」があぶない | トップページ | 「タンポポ」があぶない »

2013年4月10日 (水)

自殺があぶない

 内閣府自殺対策推進室が出した統計「平成24年中における自殺の概況」(平成25年3月14日)によると、平成24年の自殺者数の年計は27,858人で、対前年比では2,793人(約9.1%)減少しています。

 減ったとは言え、全国における年間交通事故死者数5,237人(警察庁交通局「平成24年中の30日以内交通事故死者の状況」による)に比べると、自殺者数の方が5倍以上の数字になっていますから、その深刻さがわかっていただけるでしょう。

 最近は、賃貸物件での自殺を受けて、大家さんが遺族や連帯保証人に対して損害賠償を請求する事案が生じています。自殺があった部屋を借りて住むことは、心理的に嫌悪感を感じるのが一般的ですから、その部屋で自殺事故があった事実は、賃貸契約にあたっての「重要事項」として告知すべき義務があるとされています。

 そうすると、常識的には「心理的な嫌悪感」があるでしょうから、その部屋を貸りてくれる人が現れない時期が発生します。その後、なんとか賃借人を確保しようとするなら、しばらくは安い家賃設定にするなどの「営業努力」も必要です。

 そんなわけで、自殺事故が生じた部屋について、室内のクロス張替費やクリーニング費、現場供養費のほか、2年5か月分の家賃減収を含めた大家さんの損害合計160万円について、賃借人側に支払を命じた裁判例があります。そして、今後、このような損害賠償事件に発展する傾向はますます顕在化するものと私は考えています。

 自殺は残された者に深い悲しみをもたらすだけでなく、大きな財産上の損害をも与えるというひとつの例です。どうか、自殺は思いとどまって欲しい…と切に願います。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

|

« 小野市の「新条例」があぶない | トップページ | 「タンポポ」があぶない »

弁護士のひとりごと」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/544676/57143852

この記事へのトラックバック一覧です: 自殺があぶない:

« 小野市の「新条例」があぶない | トップページ | 「タンポポ」があぶない »