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2012年11月 1日 (木)

当世「法廷」事情

 時代が変われば、「法廷」の様相も変わりますね。少し前までは、法廷でコートを着たままだと脱ぐように叱られ、答弁の際には起立して言葉を発するよう、当然の如く指摘されました。刑事の法廷では、傍聴人が足を組んだり、私語をしたりすると、裁判長からビシっと注意されたものです。

 本日の法廷では、民事事件(私の担当事件ではありません)の被告本人が、法廷でキャップ(野球帽)を被ったままでしたが、誰も注意しません。裁判官からの質問にも、被告は座ったままで堂々と私見を述べておられました。

裁判官:訴状は読まれましたか?
被告:いいえ。裁判所に呼ばれる理由はわかってますから。
裁判官:(訴状の内容=賃料の不払を理由とする明渡請求…を説明して)間違いないですか?
被告:私にも言い分が…。恥ずかしい話、最近まで拘置所に居たし、○○(病名)で体調悪いし、今年は猛暑で大変だったし、この歳ではなかなか仕事がないし、家を空け渡せと言われても行く所がないし、乞食になれと言うんですか? 死ねと言うんですか?

 まあ、延々20分にわたって、このようなやり取りがあり、傍聴席の弁護士たち(自分の事件の順番を待っている)は、時計をチラチラと見ながら、まるで「罰ゲーム」のような時間を過ごしておりました。裁判官は、結局、審理を打ち切って判決期日の指定をしましたが、それまでは、ほとんど被告の勝手な言い分ばかり聞かされ、裁判所や法廷の「威厳」というものは微塵も感じられません。

 私は、やはり、彼に脱帽を求めなかったことが、裁判所や法廷の「威厳」を台無しにしたんじゃないか…と勝手に納得していますけれど(笑)。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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