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2012年8月 7日 (火)

叱るための「モノサシ」

 子供を叱ったり、たしなめたりする場合、「正しい」「間違い」とか、「良い」「悪い」などと説明することが多いのではないでしょうか。しかし、それだけでは語り尽くせない事柄も多々あります。私は、「好き嫌い」であるとか「主義・主張」など、「正邪」や「善悪」の指標では説明できなくても、親がきちんと子どもに教えてリードすべき事柄がたくさんある…と思っています。

 たとえば、暴力や恐喝、名誉棄損や侮辱、未成年者の飲酒・喫煙などについては、これらを禁止する法律がありますので「違法」であるという説明が簡単に出来ます。まさに「正邪」や「善悪」の「モノサシ」が威力を発揮するわけです。

 しかし、茶髪・ピアスとかTATOOなどは、所詮は「ファッション」の問題です。これらを「正しい・間違い」とか「良い・悪い」という指標で説明することは出来ません。だからこそ、「高校生(中学生)らしくない」などという、あいまいな説明にすり替えざるを得ないわけです。「らしい」「らしくない」は、結局、「感性」の問題であり、突き詰めれば、ただの「好き嫌い」なのです。

 「好き嫌い」の問題を「正邪」や「善悪」などの「モノサシ」で説明することには無理があります。他方、親自身の「好き嫌い」を、子どもに対して「主張」しても構わないのではないか…と私は思っています。もちろん、所詮は「好き嫌い」レベルの問題であることを「明示」することが大前提ですけれども。

 例えば、私は息子たちが小学生のころに言いました。「茶髪・ピアス・TATOOは、親子の縁を切ってから!」と。私自身は「茶髪・ピアス・TATOO」などが大嫌いであることをハッキリ主張したわけです。その上で、「茶髪・ピアス・TATOO」がやりたければ、おとなになって、親である私と縁を切って、独りで生きていける状態になってから勝手にしなさい…と。ただ、息子たちは「茶髪・ピアス・TATOO」などには、興味すら持ちませんでしたから、完全な「杞憂」に終わりましたが(笑)。

 子どもは、成長するにつれて、「正邪」「善悪」の問題と「好き嫌い」との問題との違いを理解して行きます。他方で、おとなが「好き嫌い」の問題を「正邪」「善悪」の問題にすり替えようとする姿勢については、敏感にこれを察知します。だからこそ、親の意見を支える「理由」については、きちんと子どもに告げなければいけない…と思うのです。私自身は、「好き嫌い」だって、立派な「理由」になり得ると思っています。

 昔から「無理が通れば道理が引っ込む」などと言います。おとなが「無理な論理」を重ねて、「好き嫌い」の問題を「正邪」「善悪」の問題にすり替える姿勢を続けると、子どもの信頼を失い、ついには本当に「大切なこと」すら、子どもに通じなくなってしまうのではないか…と私は危惧します。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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