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2012年8月10日 (金)

借金を合法的に踏み倒す!

 借金で首が回らない…という表現があります。この語源については、定説がありません。唯一、落語の世界にヒントがありました。昔は「掛け売り」でモノを買っていましたから、節季ごとに「掛け取り」が集金に来るわけです。節季の支払をキチンと出来れば良いのですが、あちこちの店に借りが残っている人が「商店街」を通る際、不義理をしている店の方を見ることが出来ません。顔を真っすぐ前に向け、決して店の方を見ることができないのです。つまり、この状況が正に「首が回らない」というわけなのです(笑)。

 同じ「首が回らない」状況でも、債権者の「面子(メンツ)」で様相は随分と違います。銀行・消費者金融・クレジット会社…など「金融のプロ」だけが債権者の場合、自己破産にせよ民事再生にせよ、代理人弁護士としてはたいへん「気が楽」なのです。

 「金融のプロ」に対する借金が返せない…それは、債務者自身にとっての「失態」ではありますが、同時に「金融のプロ」から見ると「与信の失敗」なのです。「与信」は、債権回収の可能性を第一に勘案するのですが、その「与信」の判断を誤った結果、債権回収が不可能になっているわけですから、明らかに「金融事業」としての失策なのです。

 何が言いたいか…と言うと、「金融のプロ」に対する借金が返せない状況に陥るのは、必ずしも債務者だけが悪いわけではない…ということです。「金融のプロ」ですら「与信」に失敗したわけですから、所詮はシロウトの債務者が気に病む必要は全然ないのです。

 それとは反対に、親類・縁者、友人・知人等々、ありとあらゆる交友関係に「借金網」を拡げている債務者がいます。実は、これは「最悪」なのです。「金融のプロ」は「仕事」としてお金を貸しています。要は「商売」なのです。しかし、親類・縁者、友人・知人は、個人的なお付き合いを基に「好意」としてお金を都合してくれています。

 自己破産や民事再生は、そういった個人的な「誠意」を踏みにじる結果になるわけですから、親類・縁者、友人・知人には、十分な「ケア」が必要です。つまりは、債務者本人がしっかり行脚のうえ「頭を下げる」ことです。実は、これを十分に出来ない債務者も多く、「免責手続」を考える場面で、少なからずトラブルに発展することもあります。

 破産や民事再生の手続は、それまでの経済生活をリセットして、一からやり直すことが出来る「有用な制度」です。これらの制度の「恩恵」を受けられる債務者の立場を思うとき、他方で「置き去り」にされる債権者に対する「陳謝」と「感謝」の思いを決して忘れてはいけない…と私は思うのです。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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