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2012年8月21日 (火)

鉄道の「人身事故」に思う

 本日(2012年8月21日)、JR京都線で「人身事故」がありました。茨木市内のJR京都線踏切で、下り快速電車に女性がはねられて死亡、上下線が40分にわたって運行停止、50本が運休するなど4万2千人に影響がありました。運転士によると「遮断機をくぐって線路内に入ってきた」とのことです。

 ところで、私自身も、この4万2千人のうちの一人です。甲南山手駅では普通電車がストップして動く気配もなかったので、駅を出て市バスに乗り阪急岡本駅を目指しました。阪急神戸線で十三駅へ向かい、阪急京都線に乗り換えて南方駅で降り、さらに地下鉄御堂筋線で新大阪駅へ。新大阪駅~京都駅間は新幹線のぞみに乗り込み、京都駅からは在来線に戻り一時間遅れの新快速に滑り込んで大津駅へ。これだけ手間暇かけて迂回し、余分な費用も掛かかりましたが、大津家庭裁判所の調停期日には40分遅れて到着。調停委員や相手方代理人弁護士を長々と待たせる結果になりました。

 JRは特に営業路線が長く繋がっているため、一か所で事故が起きると、長い区間にわたっての電車の遅延や運休…といった大きな影響が発生することになります。また、JRが、原則として警察の現場検証が終了するまで車両を発車させないことが、利用者の受ける影響をさらに大きくしている…とも指摘されています。

 実は、ある私鉄の運転士さんから直接伺ったお話ですが、その鉄道会社では「事故キット」のようなものがあって、これを使って事故処理の時間を短縮させているそうです(生々しい話ですので具体的な記述は控えます)。そのうえで、運転士に過失責任が生じないと判断される事案では、線路上の安全が確認できた時点で、車両を発車させてしまいます。だから、私鉄では「人身事故」が起きても10分そこそこで「復旧」が可能なのだそうです。

 もちろん「人身事故」が発生した場合の手続としては、JRの方が正しいのだろうと思います。私鉄方式には「事故軽視ではないか」との批判があるかも知れません。しかし、鉄道利用者にとって、時間は「無制限」で「無料(ただ)」ではありません。電車の大幅な遅延によって利用者一人一人が受ける影響を「経済効果」ならぬ「経済損失」として累積計算したら、とんでもない数字になるんじゃないか…などと考える私は不謹慎でしょうか?

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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