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2012年7月18日 (水)

法律相談があぶない

 私たち弁護士の法律相談の単位は30分です。ひととおりお話を伺って、それなりの結論を出すためには、最低それくらいの時間が必要なのです。じっくりお話を伺うとすれば、1時間はあった方が良いでしょう。

 そんなわけで、弁護士会や法テラスの法律相談は、30分ずつ仕切られています。市役所などの自治体における法律相談も概ねそうなっています。しかし、なかには1件20分という自治体もあります。3時間で6件がスタンダードですが、この自治体では3時間9件をこなす必要があります。

 相談者の需要を満たすため1件あたりの時間を短縮して数を多くする…という発想なのでしょうが、この安易な発想が多くの悲劇を招くかも知れない…と私は思っています。

 法律相談をめぐる「弁護士への不満」は以下の3点に集約されます。①エラそう、②話を聞いてくれない、③何を言っているかわからない…の3つです。①はともかくとして(笑)、②と③は明らかに時間不足が原因です。

 相談者のペースで話を聞いていると、時間内に事案の理解すら出来ないでしょう。ですから、弁護士は本人の気持ちではなく、事実関係だけを端的に聞き出そうとします。ここで「話を聞いてくれない」という不満が生じます。

 そして、相談に対する回答では、テクニカルターム(専門用語)が飛び交います。20分の「短縮版」では、素人さんにもわかるよう、噛み砕いて説明する時間的余裕も、精神的余裕もありません。これが「何を言っているかわからない」という不満につながります。

 離婚と思って話を聞いていたら実は多重債務の問題であったり、不動産売買のトラブルかと思えば実は遺産分割や遺留分減殺の問題であったり…と、相談者の悩みを根本的に解決するために別のメニューが必要な場合も少なくありません。

 法律相談は、問題解決の「入口」です。この「入口」でつまずくと、より良い解決は望めません。短時間の「市民法律相談」で納得できる回答は得難いと思います。人生の大きな岐路に立たされている場面で「安かろう、悪かろう」は絶対に避けたいところです。

 「ああ、相談して良かった!」という依頼者の皆さんの笑顔こそが、私たち弁護士の「生きがい」なのです。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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