« 飲酒検問がアブナイ! | トップページ | 自転車事故の賠償責任に備える! »

2012年3月13日 (火)

原子力発電のコスト

 私たちは、折に触れ「原子力発電のコストは安い」と教えられてきました。電力10社によって組織される「電気事業連合会」が発表している統計数字によれば、1kwh(キロワットアワー)あたりの発電コストは、水力11.9円、石油火力10.7円に対し、LNG火力6.2円、石炭火力5.7円、原子力5.3円となっており、石油火力は原子力の2倍の発電コストがかかるとされています。

 しかも、この統計は平成14年当時のものであり、原油価格が1バレル30ドル程度であった頃の統計であるため、現在の原油価格の高騰(100ドル超)に照らすと、さらに原子力発電のコストは優位性があるとされています。以下に、該当するWEBページの図表のURLを貼っておきます。http://www.fepc.or.jp/faq/1189748_1457.html

 しかしながら、上記の統計は運転年数を各電源とも40年に設定した場合の数字であり、これを各電源の法定耐用年数(水力40年、石油15年、LNG15年、石炭15年、原子力16年)に置き換えた場合、同じ1kwhの発電コストは、水力11.9円、石油火力12.2円、LNG火力7.0円、石炭火力7.2円、原子力7.3円となり、原子力よりもLNG火力や石炭火力の方がコストが低いことになります。同じ統計数字を用いても、付与する条件によって、その結果が大きく変動する良い例だと思います。いわゆる「統計のマジック」ですね。

 さて、私が知る限り、このような形での発電コストの比較統計は平成14年が最後で、これより新しいものは見当たりません。「電気事業連合会」のWEBページでも、今なおこの統計数字を紹介していますので、新しいものはまだ無いのでしょう。今後、「脱・原発」の是非は、さらなる論議を呼ぶと思われますが、その際の議論の前提とするために「最新の統計」を現時点で明かにして戴きたいものです。

 ただし、その場合には、原発事故の被害者の皆さんに対する損害賠償金を「発電コスト」に加える必要がありますので、くれぐれもお忘れなく…。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

|

« 飲酒検問がアブナイ! | トップページ | 自転車事故の賠償責任に備える! »

弁護士のひとりごと」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/544676/54211728

この記事へのトラックバック一覧です: 原子力発電のコスト:

« 飲酒検問がアブナイ! | トップページ | 自転車事故の賠償責任に備える! »