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2012年1月18日 (水)

逃げ出した船長の刑事責任

 すでに11人が死亡し、多数が行方不明と報道されているイタリアの「コスタ・コンコルディア号」の座礁事故では、損失額が10億ドル(約770億円)に及び、保険会社の負担が海難事故史上最高額となるのでは…と推定されています。

 「コ・コ号」は、全長約290メートル・11万4500トンで、船室が1500、レストランが5、プールが4、バーが13など、素晴らしい設備をもった超・豪華客船です。事故時には乗客3,200人、乗員1,000人が乗っていました。

 こともあろうに、みずからの操船ミスで「コ・コ号」を座礁させた「張本人」の船長が、乗客の救助義務を放棄して、ちゃっかり避難していた事実が報道されています。映画やドラマなどでは船長が沈みゆく船と運命をともにするシーンがありますが、これとはまったく正反対の今回の船長の所業です。

 我が国の法律ですが、船員法11条は「船長は、やむを得ない場合を除いて、自己に代わつて船舶を指揮すべき者にその職務を委任した後でなければ、荷物の船積及び旅客の乗込の時から荷物の陸揚及び旅客の上陸の時まで、自己の指揮する船舶を去つてはならない」という船長の「在船義務」を定めています。これに違反しただけで「30万円以下の罰金」です。

 しかも、本件では船舶が座礁し沈没の危険が生じていますから、「船長は、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、人命の救助並びに船舶及び積荷の救助に必要な手段を尽くさなければならない」(同法12条)とされる「救助義務」が生じています。この救助義務の違反は「5年以下の懲役」です。

 従って、乗客の救助義務を尽くさずして早々に離船した船長は、それだけで懲戒刑に処せられることになります。さらに、みずからの操船ミスで「コ・コ号」を座礁させて乗客らを死傷させたことについては、別途、業務上過失致死傷罪(5年以下の懲役など)に問われることになります。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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刑事事件」カテゴリの記事

コメント

福岡市で起きた1月19日(木)の痴漢冤罪事件は、バスの複数の乗客が目撃していますが、相手が警察や検察という国家権力によるもので、なかなか真実を話せない人がたくさんいるようです。
1月19日に福岡市の西鉄バスの車内で起きた痴漢冤罪事件は、女子高校生、バス運転者、乗客、警察官、検事らによるでっちあげの事件だと思います。
私の知る中村学園女子高校の生徒によると、冤罪をでっちあげた生徒は2年生で、事件当日と翌日は学校を休んでいたそうです。
捜査を担当したという福岡県警察中央警察署生活安全課の宮崎創巡査部長や中村祐太巡査たちは「警察は被害者の味方だから何が何でも立件せんといかんのだ!」などと怒鳴って、目撃者たちを追い返したそうです。
また、取調べを担当したという福岡区検察庁の吉田修一副検事が「事件のことなら被疑者が選任した平和の森法律事務所の平田弁護士に聞きなさい。電話番号も教えてやるぞ。」などと複数の人に言ったそうです。この吉田修一という検事も、違法な捜査で冤罪を作っておきながら、このようなことを言うとは非常に無責任です。
このような警察や検察の冤罪のために国民の税金を投資して捜査費にあてることは許されません。
この冤罪事件については、福岡県弁護士会が組織をあげて解決しなければ市民の安全は守れないと思います。

投稿: 桑原妙子 | 2012年3月 5日 (月) 14時10分

はじめまして。

痴漢冤罪事件については、映画『それでも僕はやっていない』を見て、私も現実問題だと思っていました。
日本の裁判官は「容疑者が否認するから勾留する。否認するから勾留延長を簡単に認める。」など無能な面とも関連がありそうです。
ただ、ここの告発された方々は、痴漢の犯人にでってあげられて、耐え切れないほど警察や検察から脅迫や暴行を受けて無理やり処罰されながらも、幸福への権利をもつ人へ光を注ぎたいという思いでしょう。
その人たちにすると、警察官や検察官、女子高生たちこそが世の中における不法行為の本質であるということに過ぎないと考えられます。
したがって、その人たちがコメントしている行為も、真実が世の中に堂々と姿を現すことを促す非常手段に過ぎないと思います。

投稿: 末広 | 2012年3月 6日 (火) 15時31分

私が問題にしているのは、無実の人が何度も警察や検察から耐え切れないほどの脅迫や暴行を受けて処罰されながらも、幸福への権利を持っている人において、闇に光りを注ぎたいという思いから告発したわけです。

違法な捜査をしたのは、福岡県警察中央警察署生活安全課の宮崎創巡査部長や中村祐太巡査らの警察官、および福岡区検察庁の吉田修一副検事だとわかっています。これは、該当する警察官や検察官が氏名をインターネットで公開されても痛くも痒くもないなんて強気で言ったので、コメントに書いても問題ないと思われます。

私にしてみれば、そのような警察や検察が社会における不法行為の本質であり、根源だというにすぎません。したがって、私がここで実行している告発という行為も、真実と正義が世間に堂々と姿を現すために促進させるための非常手段にすぎません。

この事件の解決に向けた取り組みをお願いします。

投稿: 桑原妙子 | 2012年3月18日 (日) 12時29分

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