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2012年1月17日 (火)

公判検事のお仕事

 「公判期日」という言葉を聞いたことがありますか? 通常は「刑事裁判の開廷日」を意味します。同じ裁判期日でも民事の場合は「弁論期日」と呼ばれています。刑事裁判の手続が一般市民に公開されているのは、けっして被告人などを「さらす」という目的からではありません。むしろ、「裁判手続」において「国家権力」が行使される場面を、一般市民に公開することによって「監視」させること…こそが本来の目的なのです。

 そうすると、公判期日における刑事裁判の手続は、一般市民にも「わかりやすい」ものであるべきです。ところが、現実に刑事裁判を傍聴すると、とんでもない「わかりづらい」ものであることが実感されます。

 起訴状の朗読、冒頭陳述、証拠の要旨告知…これらは、いずれも検察官が立証しようとする事実に関するものですから、裁判手続の「根幹」です。ところが、これがたいへんわかりにくい。原因は、検察官が余りにも「早口」だからです。

 そもそも起訴状は「一文」にまとめるのが通常とされ、「被告人は…」から始まり「…したものである」という結論まで、長い文章が時には延々と続きます。読んでもわかりにくい難解な文章を、超ハイスピードで「一回聴いて理解せよ」というのは、もはや「無理難題」です。

 裁判官や弁護人は、手元で起訴状や冒頭陳述書を見ていますから、検察官がどれほど「早口」でも理解できます。しかし、傍聴席で耳をそばだてている一般市民にとっては、完全に「ちんぷんかんぷん」だと言っても過言ではありません。

 つい先日、検察官の「滑舌(カツゼツ)」があまりに酷くて何を言ってるのかわからなかったので、思わず検察官の言葉をさえぎり「早口言葉をやってるんじゃないんだから、もう少し落ち着いて読みなさいよ」と言ってしまいました。裁判官は顔色一つ変えず、何も言いませんでしたが、傍聴席の皆さんは「我が意を得たり」の表情でしたね(笑)。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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