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2011年4月18日 (月)

「表現の自由」の危機?

 「週間ポスト」によると、これまで、長く問題点が議論されてきた「コンピュータ監視法案」が3月11日という、まさに大震災の当日に閣議決定されたそうです。この法案は、裁判所の捜査令状不要で捜査当局がインターネットのプロバイダに特定利用者の通信記録保全を要請できるようにするもののようです。

 そもそも、捜査当局が電話などの「通信傍受」を行なう場合は、組織犯罪に限るなど厳しい制限があるうえに、裁判所の捜査令状が不可欠です。ところが、この法案によると、捜査当局が令状なしに「やろうと思えば誰のネット通信記録でも安易に取得される」という危険性があると指摘されています。
http://www.news-postseven.com/archives/20110411_17219.html

 ソフトバンクの孫正義氏は、この法案に抗議して4月11日から3日間、ツイッターの投稿について「ハンガー・ストライキ」しておられました。確かに、この法案の目指すところは良くわかっていませんが、私たちが知らない間に、憲法上の権利であるところの「表現の自由」が不当に制限されてしまう危険性が無いとは言えません。

 「将軍様の帝国」をはじめとする社会主義国や独裁国家に見られるごとく、民主主義の台頭を押さえつけるためには、国民の「知る権利」を奪い、あわせて「表現の自由」を制限することが不可欠です。そうすることで、はじめて「知らしむべからず、寄らしむべし」という統治体制が確立できるからです。

 その意味では、国家がインターネットに何らかの規制を加えようと考え始めた時点で、「民主主義」の維持に対する危険性を感じるべきでしょう。双方向自由通信を身上とするネットの世界においては、必ずしも「正しい情報」ばかりが流れているわけではありません。しかし、その情報の正誤を判断する作業もまた、民主主義の担い手にとっての「宿命」なのです。まさに「玉石混交」のネット情報の中から、正しい情報をつかみ取ることが大切な作業であり、そういった機会を与えてくれるネットの世界こそ、「民主主義の学校」なのかも知れません。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
http://mbp-kobe.com/lawyer-fujimoto/

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