2016年2月29日 (月)

ブログを移転しました!

たいへん申し訳ありません。

諸般の事情により、このブログは今後「更新」をいたしません。もし興味がおありでしたら、こちらのブログの方へどうぞ!
どうぞよろしくお願いいたします。

兵庫県弁護士会/神戸市中央区/藤本尚道法律事務所
職人かたぎの法律のプロ、弁護士藤本尚道です!
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2016年2月22日 (月)

「号泣元県議」どこまで墓穴を掘る?

 号泣元県議は、今日(2/22)の公判でも「記憶にありません」を連発したと聞く。なんとも勿体ない話だ。国選弁護人としては「切歯扼腕」の思いだろう。被告人は起訴された「騙取額」を超える1834万円をすでに弁償している。そのこと自体は「殊勝」と言うべきだ。あとは潔く罪を認めて公判廷で謝罪すれば、執行猶予付判決は間違いがない…ところだった。

 もともと初犯なのである。多くの県議・市議が「公然」とやっている「政務活動費」をめぐる不正経理。彼の場合は誤魔化し方があまりに「稚拙」だったために「犯行」がバレバレだったに過ぎない。例の「号泣会見」の映像は全世界レベルで「晒しもの」にされ、ネット上の動画はあちらこちらに「拡散」し、もはや収拾の余地はない。マスコミの過熱報道「狂騒曲」は今日もまた健在である。被告人はすぐに県議も辞職しており、もう社会的な制裁は十二分に受けたと言うべきだろう。

 だから、もうこのあたりで幕を引くべきなのだ。「ごめんなさい。詳しくは記憶していませんが、嘘の使途を書いたことがあります。本当に申し訳ありません。」たったこれだけでも良い。本当に当時の記憶が減衰してしまったとしても、限られた記憶の中で「みずからの罪」と向き合うべきなのだ。

 私は、被告人は確実に「心を病んでいる」と思う。しかし、これは刑事的な責任能力を否定することを意味しない。責任能力は、やって良いことか悪いことかを判断する能力(事理弁識能力)と、その判断にしたがって行動する能力(行動制御能力)の問題なのである。被告人が本件行為時において、事理弁識能力または行動制御能力のいずれかに「問題」を抱えていたとは思えない。

 結局、このような公判廷における「弁解」はまったく意味を持たない。仮に現時点で「記憶障害」があると仮定すれば、むしろ「全面自供」していた警察段階での供述調書の方の「証拠価値」を高める結果となる。変な方向性で足掻けば足掻くほど、自分の首が締まるのである。このような点は、国選弁護人においてきちんと指摘し、繰り返し被告人を説得したはず…と私には断言できる。

 だから本当に勿体ないのだ。お釈迦様が極楽から降ろしてくれた「蜘蛛の糸」にすがれば助かるのに、「蜘蛛の糸」を一顧だにしようとしない。次回公判は4月25日と指定されたが、3月25日には勾留期限を迎える。果たしてそれまでに保釈が許されるのか、あるいは勾留がさらに一か月更新されてしまうのか…。

 前回の公判にあたり勾引された後、被告人はすぐ神戸拘置所に収監されたが、あの日はかなり厳寒だった。国選弁護人が急いで差し入れたコーヒーと携帯カイロで暖を取り、なんとか寒さを凌いだと聞く。暖房装置のない神戸拘置所の寒さは尋常ではない。看守が独房の窓を閉め忘れたため被収容者が「凍死」したという国賠事件の舞台にもなった「いわくつき」の拘置所なのだ。

 厳寒だった季節が移ろい、少しは暖かくなったが、神戸拘置所が「氷点下」になる日は、これからもやってくる。被告人の「地獄」はまだまだ続くのか。これ以上、みずから「墓穴」を掘るようなマネはして欲しくない。

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2016年2月18日 (木)

「りそな銀行」メールがあぶない!

 ごめんなさい。正確には「りそな銀行を名乗るメールがあぶない!」と言うべきでしょう。銀行名を騙る「フィッシングメール」の問題は、過去にもご紹介しました。ご存知のとおり、偽のWEBサイトへのURLリンクを貼ったメールを送りつけ、個人情報やID・パスワードなどを騙し取ろうとする「厄介者」です。

 昨日、私のもとに「本人認証サービス」という題名の「偽メール」が送られてきました。その送信元は「mp@resona-gr.co.jp」となっており、まるで本物の「りそな銀行」から送られて来たかのような外観です。そのメールの全文をそのまま以下にご紹介します。

 「こんにちは! 最近、利用者の個人情報が一部のネットショップサーバーに不正取得され、利用者の個人情報漏洩事件が起こりました。お客様のアカウントの安全性を保つために、『りそな銀行システム』がアップグレードされましたが、お客様はアカウントが凍結されないように直ちにご登録のうえご確認ください。以下のページより登録を続けてください。https://mp.resona-gr.co.jp/mypage/(以下省略)」

 メールの末尾には「Copyright (c) Resona Holdings, Inc. All Rights Reserved.」とあり、偽のURLもまるで本物の「りそな銀行」みたいです。不安感にかられて、あわててクリックしたくなったとしても無理はありません。皆様方も、ゆめゆめ騙されませんよう、どうぞお気を付けください。

 ところで、このメールがすぐに「ニセモノ」だとわかった理由ですが、それは私が「りそな銀行」とは何の取引も無いからだけのことです(笑)。

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2016年2月17日 (水)

号泣元県議の弁護人から怒りを込めて

 「私はホントに怒りがおさまりません。」
 そう言って彼は白い「愛車」を見せてくれた。あちらこちらに人の手が触れた痕跡が…。あらあら、よく見ると細かい「ひっかき傷」もいっぱい…。こりゃひどい。修理代も結構かかりそうだ。 

 「カメラですよ。TVカメラとか、スチルカメラ。」
 カメラのレンズ・フードはいずれもアルミ合金で出来ているので、これが車のボディや窓ガラスに触れると確実に車の方に「傷」がつく。怒りをあらわにしている彼は、誰あろう「号泣元県議」の国選弁護人である。

 「被告人は乗っていない!!…って私は叫んだんですよ。後部座席の窓も少し開けて、車内が見えるようにしたんです。」
 しかし、それでも報道陣の攻勢は止まらなかった。まさに競い合って何台ものカメラが、窓ガラスと言わずボディと言わず、ガンガンとぶつけられてくる。勾引されていた被告人は、公判の途中で釈放された(勾引状の効力は24時間のため)。それが公判の終了とともに突然「勾留」された。検察官が裁判所に「職権発動」を求めたことに対し、裁判所は「渡りに船」とばかりに勾留決定を下したのであった。しかし、裁判所の外で待機していた報道陣には、まだその一報が届いていなかった。

 「ひどい奴は、車の前方からボンネットに乗りかかって車内を撮影してきました。」
 とにかく「画像」が欲しいというカメラマンの習性…と言ってしまえばそれまで。しかし、ここまで報道が過熱するともはや車は身動きすら取れず、言いようのない憤りと怒りがこみ上げてきたと彼は言う。

 「まるで『暴徒』みたいなもんですよ。」  神戸地裁の敷地(駐車場)を出たところで一旦取り囲まれ、これを何とか振り切って裁判所南西角の信号まで進んだが、そこでまた報道陣に取り囲まれる。信号が青になり、湊川神社前交差点に向けて南下する車の後ろを何人ものカメラマンが追っかけてくる。それも大勢で「車道」を走って…と言う。彼は大きく嘆息した。

 「ここは『無法地帯』か…と思いましたね。」
 彼はもともと「マスコミ嫌い」で有名である。これまで神戸地裁管内で起きた「著名刑事事件」の多くを引き受けてきたが、マスコミの取材にはめったに応じない。その彼をさらにマスコミが寄ってたかって怒らせてしまった。

 「修理代を請求したいですよ。」
 いったい誰に対して? 彼はマスコミはみんな同罪だと言い切る。公然とカメラをぶつけてきた報道陣を「器物損壊」で告訴したい…とも。たしかに「赤信号みんなで渡れば怖くない」を地で行くような報道陣の「取材狂騒曲」は異常だ。「法治国家」である日本において、このような「蛮行」が許されて良いはずはない。

 「金輪際、マスコミとは付き合いません。」
 彼の怒りはおさまらない。私は「木偶(でく)の坊」のように立ちすくむばかりだ。

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2016年2月12日 (金)

ベッキー騒動に学ぶ「三方一両損」

 さて、今回の「騒動」で、いったい誰が「得」をして、誰が「損」をしたのでしょう。得をしたのは、まず週刊誌でしょうね。公称80万部を誇る「週刊文春」は、今回のベッキー騒動で「爆売れ」して「増刷」した…とのウワサすらあります。あくまで「ウ・ワ・サ」です。いえいえ、かなりお儲けになったんでしょう?…って、それじゃあまるで「ゲスの勘繰り」になってしまいますかねぇ(笑)。

 もしかして川谷さんの奥さんは、「週刊文春」から幾ばくかの「情報料」をゲット出来たかも知れませんが、さほど大きな額にはならないでしょう。川谷さん自身は、この騒動で逆にゲス乙女の新曲「両成敗」の売り上げがアップした…と言いますから、世の中いったい何が起こるかわかりません。他方のベッキーさんはCMカット、番組降板、しばらく休業…というわけで、事務所規模では何十億円という単位での損失や逸失利益が出る見込み…などと言われています。

 今回、川谷さんの奥さんが「週刊文春」の独占インタビューに答え、あわせて生々しい「LINEデータ」が流出したことで、ベッキーさんは芸能界における居場所を失い掛けています。その点では、「ベッキーを許さないぞ!」という奥さんの「企図」は大成功した感があります。しかし、奥さんが手に入れられる「賠償金」に絞って考えるなら、前々回のブログで述べたように秘密裏に和解交渉をした場合に比べると、かなり少額になってしまいそうです。裁判での判決を求めることになれば、まるで「大山鳴動して鼠一匹」という結果になるやも知れません。

 もし仮に、本件を「スキャンダル」に発展させず、動かぬ証拠の「LINEのデータ」を握ったままでベッキーさんサイドとの穏便かつ綿密な和解交渉に臨んでいたら、結果は大きく変わっていたのではないでしょうか。ベッキーさんの「タレント生命」を守るべき立場にある事務所側としては、一般相場よりかなり多額の「解決金」を負担してでも「スキャンダル化」を阻止したいと考えるからです。もちろん、少しでも方法を間違うと「恐喝まがい」になってしまうので、ここは腕の良い弁護士(!!)に依頼しないと到底無理でしょうけれど。

 この場合、奥さんはベッキーさんの「息の根を止めたい」という思いをおさえる必要があります。一方のベッキーさんは事務所から「不倫厳禁」を命じられたうえ、多額にわたる「解決金」の一部負担を要求されるでしょう。他方、川谷さんは奥さんに多額の慰謝料(言い値?)を支払って別れるか、離婚を思いとどまるかの選択を迫られ、いずれにせよベッキーさんとの交際継続は不可能でしょう。

 まあ、きれいに「三方一両損」というわけではありませんが、お互いに何かを失うことで「おおごと」に発展することを阻止できたかも…などと、他人の不幸をネタにあり得ない「大岡裁き」をひとり夢想している私こそ、まさに「ゲスの極み」なんでしょうかね。

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